FRAMED【ゲームレビュー】

畑野とまと
2015年09月01日

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コミックのコマ割を入れ替えて、スパイの脱出を手引きするという風変わりなコンセプトの『FRAMED』をレビュー。独特なビジュアルとアニメーション、そしてジャズ風のBGMが高く評価されており、これまでにない斬新なプレイ感覚を楽める作品に仕上がっている。

極秘のスーツケースを盗み出せ！
コミックのように展開するコマ割り脱出パズル

オーストラリアのインディーズメーカー・Loveshackが開発した脱出系パズルゲーム『FRAMED』。2014年にiOS版が発表されて以来、数多くのゲーム賞を受賞した注目度の高い本作が、ついにAndroidにもリリースされた。コミックのコマの組み合わせを変えてエージェントを脱出させるという、特異なビジュアルがとてもユニークなパズルゲームだ。

このスタート画面は、最初の起動時に見られるだけ。いったんゲームを始めたら後戻りできない！　すべてをクリアしてタイトルロールを見た後にもう一度見ることができるが、果たしてそこまでたどり着けるか……

直感的な操作でエージェントの脱出を導け

このゲームでできることはフリップで「コマを動かす」こと、これだけ。最初のシーンで、ライターとタバコのコマを入れ替えるとゲームがスタートする。スーツケースを持った男性を、警戒の任に当たっている警官たちの手に落ちることがないようにコマを入れ替え、脱出ストーリーを作っていこう。

ライターとタバコのコマを入れ替えると、シルエットの男性がタバコに火を付ける。そして、謎のスーツケースを持って走り出し、ミステリアスな物語が幕を開ける

コマを入れ替えてエージェントを次のページへ送り込め

ページがめくられてストーリーが始まると、エージェントはコマを渡り歩いて移動していく。しかし、そのままではどこかのコマで警官に捕まってしまう。プレイヤーがコマを動かすとストーリーに変化が起こるので、それからスタートボタンをタップしよう。すると、新しいストーリーに沿ってエージェントが動き出す。

コマを移動しないそのままの状態だと、エージェントが向かった先では、最後のコマで必ず警官に止められてしまう

コマを入れ替えたことでストーリーが変化！警官をかわして次のページへと進めるようになる

ページが進むにつれてルートはどんどん複雑になっていく

多数の警官が警戒していたり、足場が壊れていたり、ページが進むにつれてエージェントの行く手を阻む仕掛けが増えていく。コマの組み合わせを変えると、思わぬ方向でストーリーに変化が生じることも。コマの入れ替えは何度でもできるので、エージェントの動きを見てコマの組み合わせを試行錯誤してみるのが楽しくなってくる。

コマの順番を入れ替えるとエージェントが進むルートが変わる！　障害となる警官の背後に回って、逆に倒せるようになる場面も

コマに描かれた絵をヒントにして成功ルートを完成させろ

最終コマまで無事に抜け出せるルートを見つけるヒントは、各コマに描かれた絵がヒントになっている。2段の足場とハシゴがあるページでは、警官にぶつからないように上下をうまく渡り歩くルートが正解になる。また、警官が通りをふさいでいるページでは、壁の色のつながりがヒントになっているのだ。

足場とハシゴの組み合わせで、移動するルートをいじることができる。警官と鉢合わせしないルートをたどれるように、コマの組み合わせを変えてみよう

こちらは、水色の壁と赤い壁で構成されたストリートを通り抜けるページだ。通りの中央には警官が立ちふさがっている。壁の色のつながりが攻略のヒントだ

第2章ではコマの回転がカギを握る

第2章では、第1章で男性エージェントからトランクを奪いとった女性エージェントが逃走を開始する。女性エージェントが逃走する道中では、回転するコマが出現。ピンが打たれたコマは移動することができないが、代わりに回転させることができるのだ。そして、コマの向きによってエージェントの進み方が大きく変化する。

横向きに配置されていたコマを90度回転させ、縦に向けることで進むルートが大胆に変化する

いったん始めたら後戻りできないハードボイルド脱出ゲーム！

本作は、カンのいい人なら90分程度でクリアが可能な脱出パズルゲーム。いったんクリアした後は、細かな部分がさらに変化した2周目がスタートする。ハードボイルドな雰囲気を演出する音楽もイイ感じなので、ヘッドホンをしてコミックを読むような気持ちでプレイしてほしい。iOS版が発表された当時は500円だったが、Android版では格安な価格でリリース。完成度の高さは折り紙つきで、iOS版も合わせて値下げされているので、この機会に遊んでみてはいかがだろうか。