7月に『Pokémon GO』リリース!?
公式サイトによれば、7月末には近くにポケモンがいると振動で知らせてくれる「Pokémon GO Plus」というアイテムが発売予定とある(まるでIngressのアプリ入りAndroid Wearのようである)。
となれば、Pokémon GOは当然その前にリリースされるだろう。7月中なのは確実か。
今回は、公式サイトで発表されている最新情報から、Pokémon GOがどんなゲームになっているか妄想していこう。あくまで筆者の妄想なので、配信時にどうなっているかはわからないことをご了承いただきたい。
Ingressとは?
その前に、Ingressとはいったいどういうゲームかを簡単にご紹介しよう。
Ingressは、Google内のスタートアップ Niantic Lab(現在は独立してNiantic, Incに)が2013年に作り上げた、スマートフォン用のAR(拡張現実)ゲームである。
iOS版とAndroid版があり、プレイヤーは全世界にいるというワールドワイドなゲームだ。
プレイヤーは、Googleアカウントを使ってゲーム用のアカウントを作成する。
登録時に、緑色のEnlightened(エンライテンド)と、青色のResistance(レジスタンス)のどちらの陣営(ファクション)かを選ぶ必要があり、この2陣営で「ポータル」と呼ばれるスポットを取り合うのが基本的な遊び方だ。
自分の陣営のカラーにした複数のポータル間をリンクと呼ばれる線で結び、陣営のエリアの広さ(人口密度)を競う。そのためバーチャル陣取りゲームともいわれる。
日々ポータルを取り合い、エリアを競う他に、2~3ヵ月間隔で「アノマリー」と呼ばれる世界規模の公式戦が開催されており、大勢のプレイヤーが海外まで足を運んでいる。
また、個人レベルでは、アノマリーの参加や移動距離、攻撃の実績など、日々の活動に関して細かい項目があり、活動実績に応じたメダルが多数もらえるようになっている。
このほか、特定のポータルを指定された方法で攻略していくことで、メダルが獲得できる「ミッション」と呼ばれるミニゲームも用意されている。
ミッションはプレイヤー自らが作成できるため、メダルをつなぐと1枚の巨大な絵に見えるといったものもあり、バリエーションが豊富。
日々の攻防には関心を持たず、ミッションしかしないというプレイヤーも存在する。
最近では公式スポンサーも増えており、スポンサーの名前を冠したポータルや、スポンサー企業の特徴を活かしたゲームアイテムが多数登場している。
ゲームそのものは無料でプレイできるが、ストアを通じてゲームにちょっとアクセントを加えられるようなアイテムを購入することもできる。
というと、強くなれるものが買えそうなイメージがあるが、ストアを利用しなくても、プレイそのものに影響がないよう工夫されている。
現実世界の建造物がゲーム中の重要な場所に
ポータルは、近所の公園、神社などの歴史的な建造物、なんらかの像や看板など、現実世界に実在する場所が元になっている。
スポンサーであるローソンや三菱東京UFJ銀行(ATM含む)、伊藤園の災害対応自動販売機、オートバックスの店舗などもポータル化されている。
プレイするためには、これらポータルまで実際に足を運ばなくてはならない。
ゲームに必要なアイテムの取得(ポータルのハック)から、ポータルを自分のもの(自陣のもの)にするためには、そのポータルの半径40m内まで近づく必要がある、というのがIngressの他のゲームにはない大きな特徴だ。
現在のエリアの状況は、パソコンやスマートフォンのブラウザで見ることはできる。
しかし、ゲームを進めるためには外に出なくてはならないため、元々インドアだったプレイヤーが痩せる、といった現象まで起こるほどなのである。
新しいポータルを訪れるとそれも実績になるため、多くのプレイヤーが国境を超えてプレイしに歩く。このため、観光客誘致もかねて、自治体を巻き込んだIngressのイベントも多数開催されるようになっている。
ゲームを作ったNianticは被災地の復興支援にも積極的で知られており、最近では日本の東北地方や、台湾の台南でアノマリーを開催している。
プレイヤーはただ遊びにいっているつもりでも、それが支援につながっているというわけだ。
また、ポータルに行ったらたまたまそこで知り合った、コミュニティに入ったら地元に知り合いがたくさんできた、スキャナの中にあるCOMM(簡単な掲示板のような場所)で話しかけられてから友だちになったなど、リアルなつながりに発展しやすいのもIngressだ。
このように単に画面内で終わらないところも大きな魅力となっている。
ストーリーがあってアノマリーの結果がゲームに影響を与えている
ゲーム内でプレイヤーは「エージェント」と呼ばれる。アバター(分身)や敵対するキャラクターが存在しないのもIngressの1つの特徴だ。
ゲームをプレイするアプリ(画面)のことは「スキャナ」と呼ばれる。
スキャナを通して見た世界は、地図上にポータルが点在し、そのポータルからはXM(エキゾチックマター)と呼ばれる謎の物質が、もわもわと湧き出している――というもの。
湧き出すXMは、ゲームをプレイする上でのエネルギー源になっている。
実はIngressにはゲームの世界観を形成するストーリーがあり、物語の中で、エージェントは手元のスキャナを使い、謎の物質XMをコントロールしている、という設定なのである(ストーリー上、登場人物は多数存在するが、ゲーム内に実体化されているものはない)。
ゆえに、実はゲーム開始時に選ぶ陣営にも意味がある。Enlightenedは、謎の物質XMで人類を覚醒に導こうとする陣営。一方のResistanceは、XMの影響から人類を守ろうとする陣営という設定だ。
ストーリーは、Googleが運営するSNSであるGoogle+の専用コミュニティで逐次更新されている(英語)。
公式戦でどちらが勝ったかもストーリーに大きな影響を与えており、それによって、実際のプレイ画面に影響が及ぶこともある。
楽しみ方は自由
自分を含め、特別なキャラクターはなにもない。敵が現れて攻撃を仕掛けてくるわけでもない。画面を初めてみたときは、何が起きているのかわからないのがIngress。
しかも、途中から始めると、過去にどんな展開があり、何があって今どういう状況になっているのかを把握するのはけっこう大変、というのが正直なところ。
しかし、ストーリーがまったくわからなくても、日々のプレイには影響がない。ただポータルを巡ってドンパチするのが楽しい! というのでも全然OKなのである。
メダルの獲得に意欲を燃やす人、飲み会がメインという人、グッズ作りが好きな人など、Ingressの楽しみ方は千差万別で、エージェントの数だけ楽しみ方があるのだ。
公式記事だけで妄想開始!
Pokémon GOの話をしたいのだが、Ingressの説明ですっかり前置きが長くなってしまった。Ingressってどんなゲームといわれ、その魅力を伝えようとするとなかなか大変なのだ。
そんなわけで、かくのごときゲームの愛好者だが、ポケモン超ビギナーの筆者のメモが以下である。かっこ内でIngressと対比させている。
- ポケモンがゲーム画面を通した現実世界に現れるので、それを捕まえにいく必要がある。主な活動はポケモンの収集であり、目指すはポケモン図鑑の完成である
(外でプレイするところはIngressと同じ。しかし、ゴールがIngressとはだいぶ違う。Ingressのゴールはおおむね宴会である) - プレイヤーはポケモントレーナーと呼ばれ、アバター(分身)が作れる
(よく擬人化はされているようだが、Ingressに分身はない) - 街には「ポケストップ」と呼ばれる場所があり、そこからモンスターボールをはじめとしたゲームに必要なアイテムを取得する
(ポータルハックに似ている。ユニークポケットストップハックみたいなものはあるのだろうか?) - ポケモンを捕まえると、トレーナーのレベルが上がる。それに伴って、強いポケモンと遭遇でき、ポケストップではよりいい道具が手に入るようになる
(活動実績に応じてレベルが上がり、レベルに応じて使えるアイテムがある点はIngressに似ている) - ポケストップからは、「ポケモンのタマゴ」なるものを入手できることがあり、それを孵化器に入れておくとポケモンが孵化する
(IngressのCMUに似ているようだが、やはり違うな) - トレーナーは、3つのグループ(色)に分かれて、マップ上の「ジム」を取り合う
(取り合うものがある点は似ている。色にコンセプトはあるのだろうか?) - 選んだポケモン6匹を使って、他のチームに「ジムバトル」を仕掛けられる。相手ジムのポケモンを倒してジムの名声をゼロにすれば、自分のポケモンを配置して自分のチームのジムにできる
(やり方はよくわからないが、ファームを攻撃するようなものか? なんで違うエリアなのに攻撃しにきたのかとかいわれないだろうか) - 歩いた距離、ポケモン図鑑、捕まえた数、進化させた数、かえしたタマゴ、見つけた数など、実績に応じた「メダル」がもらえる
(これはIngressに似ている!)
ざっくりいうと、街中に突然現れるポケモンに、ボールをぶつけて捕獲し、コレクションするゲームといったところか。
集めたポケモンは進化させることができ、街中の「ジム」と呼ばれるスポットで、3チームでバトルすることもできると……。
妄想をさらに深掘りしたら疑問噴出
まずアバターだが、自分の分身が存在するという点は、Ingressとは大きく異なる。普段分身が誰かと遭遇するわけではなさそうだが、ジムに行くと見られるのだろうか。
ジムでもリアルに遭遇して戦うわけではなさそうだが、もし実際にプレイヤーが分身を伴って現れたら戸惑ってしまいそうだ。
「目指すはポケモン図鑑の完成」とのことだが、これまでポケモンのキャラクターにまったく愛着がないど素人の自分に、どこまで収集力を発揮できるかちょっと心配ではある。
とはいえ、謎の物質が湧き出しているだけの画面でこれだけ遊んでいるのだから、集めろといわれたら、割りとのめり込みそうな気もする。
希少性の高いポケモンもいるのだろうか。ポケモン世代の方々にいろいろ教えてもらわなくてはならないだろう。
「ポケストップ」という場所はどうもポータルくさい。ポケストップを募集しているなどは聞いたことがないので、おそらくIngressのポータルをベースに配置されているのだろう。
Ingressをやりこんでいるエージェントなら、周辺のポケストップの場所は把握しやすそうだ。
ポケストップ同士をリンクでつなぐといった作業は不要そうだし、ポケストップを破壊する必要もなさそうなのはラクだ。
これは早く帰れるフラグか? Ingressのように、買い物にでかけたら2時間は帰ってこない、みたいなことは起きにくいのかどうなのか。
ほしいアイテムがでるまで、延々歩き続けたりするのだろうか。Ingressの場合、早く帰宅しようと駅に降り立ったら辺り一面敵陣カラーで、見過ごすことができず、やめどきすら難しいことがあるが、Pokémon GOはどうなのだろうか。
ポケストップで人が出会う可能性はどうだろう。 概要を読む限り、ポケモンを集めているときはソロプレイ、ジムバトルをするときはチームプレイのようだ。
ソロでも外部から活動が分かるIngressとは異なり、ポケモンを捕まえている間は、トレーナーの存在そのものがほかのトレーナーに知られることはないように思うがどうなのだろう。
結局、バトルらしいバトルはジム内で行われるようだ。IngressでいうところのCOMMに似たチーム内の連絡機能はあるのだろうか。一斉に集まって攻撃なんてこともできるのだろうか。
どんなコミュニティが生まれるかがカギ?
モンスターを収集するポケモンと、陣取りするIngressではそもそも遊び方が大きく違いそうな気がするが、歩くことによっていろんな発見がもたらされるという点は同じだろう。
もしそこで友達ができたなら、やはりIngressで楽しまれているようなコミュニケーションが生まれるのだろう。
若い子におじさんやおばさんが質問することで、新しい人間関係が楽しめるかもしれない。捕まえたポケモンを見せ合って、どうしたらいいか聞いてみたい(不審者扱いされないレベルで)。
Ingressへのモチベーションが続いている人というのは、なんらかのコミュニティに所属しているケースが多い。どの程度ハマれるかはどのようなコミュニティが形成されるか次第かもしれない。
仲間ができれば、全国のジムを制圧していく「ジム破り」みたいなことも生まれそうな気がする(そんなことができるのかは知らないが)。
結果、いずれはなんらかのランキングのようなものが見られるようになってもおかしくはない。
そんなことをつらつらと考えていたら、かなり好奇心が湧いてきた。
これを読んで自分の妄想も広がり、Pokémon GOが待ちきれなくなっちゃった人は、とりあえずIngressをやってみるという手もある!
(c)Niantic, Inc.
(c)2016 Niantic, Inc.
(c)2016 Pokemon. (c)1995-2016 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.