Rock(s) Rider - HD Edition【ゲームレビュー】

『Rock(s) Rider - HD Edition』は、バイクで障害物をクリアするトライアルバイクのレーシングアクションだ。2014年12月に配信された『Rock(s) Riders』のHDグラフィック版となる本作では、より高精細な3Dモデルとテクスチャーを新たに搭載。華麗なトリックを決めながら、廃墟のようなコースを縦横無尽に駆け抜けよう。

さまざまなギミックをかいくぐり
トライアルバイクで賭けレース!

複雑かつ高低差の激しい地形を走り抜くトライアルバイクを題材にした本作。物理演算エンジンを使って、ジャンプ時のバイクの挙動や着地時の衝撃緩和などをリアルに再現しており、細心の操作を要求される難易度の高いゲームだ。

一般的なレーシングゲームであれば、とにかくスピード重視になる。しかし、本作のテーマはトライアルバイク。スピードも重要だが、コース上にあるさまざまなギミックを高度なテクニックで突破していくのが醍醐味だ。そのため、レースゲームというよりは詰め将棋のようなパズルゲームにも近いといえる。また日本語にローカライズされていないため、ストーリーやシステムの解説などを理解するには多少の英語力が必要だ。

アメリカのダウンタウンを思わせるアンダーグラウンドな世界観。ハードロックなBGMも雰囲気にぴったり合っている

まさにギャングの典型のような強面のステージボス。映画『ワイルド・スピード』シリーズなどが好きな人にはたまらない雰囲気だ

些細なミスが命取り!ジャンプやスピードを計算して疾走せよ

1つのステージにつき12種類のコースがあり、No.1からNo.11まではプレイヤーのみのタイムトライアルとなっている。最終の12コースのみ、ボスとのタイマンバトルが発生。なお、ボスに勝てなくてもクリアさえできれば、次のステージへと進むことができる。

攻略前のステージ解説。左側にある「BRONZ」「SILVER」「GOLD」は、クリア時のタイムや失敗の有無で獲得できるバッジの種類。「CHALLENGES」は、コース内で獲得できるアイテムを指している。「DO YOU WANNA BET?」は、ステージボスとのお金を賭けたタイムトライアル。指定タイム以内にゴールできれば掛け金がもらえるが、遅ければこちらが払うことになる。また、タグにある「OFF」は課金アイテムの使用の有無を示している

各コースでは、最終ゴールにさえたどりつければクリアとなる。レース場は屋外ではなく、廃墟の中の室内。コース上には段ボールの束や壊れた家具などの障害物が乱雑に置かれ、マンションの屋上から落ちたり、逆にフルスロットルでジャンプしたりするような激しい高低差も存在する。

プレイヤーが操作するのは、バイクのアクセルとブレーキ、これに加えて重心を前に傾けるか後ろに傾けるかの4つの要素。それらを組み合わせてマシンをコントロールし、さまざまな難所をクリアしていかなければならない。

画面右下がブレーキとアクセル。左下が重心の傾きとなっている。右上の「LAST CHECKPOINT」は、最後に通ったチェックポイントにすぐに戻れるボタン。コース内で立ち往生したり、失敗したりしたときはすぐに戻れて便利だ

高度な物理演算エンジンのおかげか、例えば高所から落ちた後のバイクの跳ねる方向などは、バイクと地面との角度およびスピード、そしてプレイヤーの重心の位置で微妙に変化する。そして、その微妙なさじ加減がステージクリアの成否に大きくかかわってくる。

ジャンプ後は、地面に接触するときの角度に注意。基本的には後輪から接地するのがセオリーだが、重心が前すぎても後ろすぎてもバイクが回転して転倒してしまう

ジャンプ台では前転や後転などのトリックを決めるチャンス!。無事に成功すれば、ボーナスがもらえる

何度失敗してもあきらめずにゴールを目指せ

攻略のポイントは焦らないこと。どれだけ時間が掛かろうが、何度失敗しようが、ゴールまでたどりつけばクリアなのだ。特に難しいポイントでは数十回と連続でミスすることもあるが、それを糧にして、自力で解決の道を見つけなければならない。失敗した理由が明示されるわけではないので、バイクの重心やアクセルの加減、コース取りなどをいろいろ試してみよう。

コースで唯一のヒントとなるが、矢印などの看板。ほとんどの場合、その通りに進んでいけば間違いはない。たまに「SLOW」という表示があるが、これはゆっくり進めという意味。そこでスピードを出し過ぎるとコースオーバーになる可能性大だ

ボスとのバトルでは、一度失敗するだけであっという間に取り残されてしまう。勝つにはコースをすべて覚えて、ノーミスでゴールまで駆け抜けることが必要だ。こいつも、最初のボスなのにまったく容赦はない

稼いだお金でバイクやキャラクターのスキンを購入

ステージで稼いだお金は、バイクのスキンやキャラクターのアバターの購入に使用する。これらを手に入れることで性能に変化があるわけではないので、デフォルトの状態でゲームを進めても問題はない。ただ、こだわりのビジュアルでプレイすると、モチベーションがぐっと高まることは間違いない。

コース上にスキンなどのアイテムが落ちていることもある。コースから外れた場所によく隠されているので、クリア後にくまなく探してみてはいかがだろうか

本編コースをクリアしてエキストラステージへ!

本編のコースを一定数だけクリアすると、「EXTRAS」のコースを選択できるようになる。ここではいつものトライアルバイクではなく三輪のトライクに乗ることとなり、新鮮な感覚でレースを楽しめる。

三輪の「トライク」にも、本編のバイクに適用したスキンを使用できる

なお、「EXTRAS」のコースのロックをすべて解除するには、本編にあるコースを「良い」成績でクリアしないといけない。その基準となるのが、「GOLD」のバッジの数だ。ほぼすべてのコースを「GOLD」でクリアしないと登場しない、難易度の非常に高い「EXTRAS」コースも用意されているので、腕に自信がある人はぜひ挑戦してほしい。

気軽さからはかけ離れた、ガチ難易度のバイクアクション

操作がシンプルなので、チュートリアルやシステム回りが英語のままでも問題なくプレイできる。問題となるとすれば日本語へのローカライズよりも、その難易度の高さだろう。最初のステージからいきなり難所が続き、失敗の理由もわからないまま同じコースを何十回も右往左往することも。また、バイクのコントロールにも繊細なアクセルワークと重心の操作が求められるので、アクションが苦手な人には絶望しか残らないようなゲームだ。

しかし、シミュレーションゲームやパズルゲームにあるような試行錯誤の楽しみと、ギミックの謎を解明し丹念にクリアしていくのが好きな人にとっては、非常におすすめできる内容になっている。

本作は有料アプリだが、無料バージョンの『Rock(s) Rider Lite』もある。こちらはステージ数が少ないものの、ゲーム内容や難易度を知るにはじゅうぶんなコンテンツを含んでいるので、購入を検討している人は先にこちらをプレイしてみてはいかがだろうか。スコアランキングに自分の名前が載ったときの喜びを味わえる日は、果たして訪れるのだろうか!?

  • 使用した端末機種:iPhone 4S
  • OSのバージョン:iOS 8.3
  • プレイ時間:3時間
  • 記事作成時のゲームのバージョン:1.0

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