超能力者が「ヒーロー」になる以前の物語。3つの特殊能力で謎を解き明かすアクションパズル
ゲームの説明をする前に『Heroes/ヒーローズ』について解説しよう。このTVドラマシリーズは、2006年に放映が開始された。そのストーリーは、超能力で敵をガンガン倒していくような従来の超能力ものとは大きく異なり、突然超能力に目覚めた一般人が能力の使い道に困惑し、周囲との違いに葛藤しながら成長していくというもの。
そして、今年放映される『Heroes Reborn』は、その『Heroes/ヒーローズ』の数年後が舞台となっている。人類に害をなす存在として、“狩られる”立場となった超能力者たち。そんな世界で、新たに目覚めた新たな超能力者と、前作に登場してヒーローとなった超能力者たちが描かれている。
前置きが長くなってしまったが、以上が本作『Heroes Reborn: Enigma』の世界観だ。『Heroes/ヒーローズ』と『Heroes Reborn』の間に起こった、番外編のようなストーリーが楽しめる作品となっている。
ゲームは、ダリアが研究所で目覚めるところからスタートする。妹を人質にとられ、無理やり超能力実験を受けさせられるダリアが、少しずつ能力を開花させ、研究所から脱出するというストーリーだ。ムービーシーンはフルボイス(ただし、英語)&フル3Dアニメで進行し、実際にTVドラマを見ているような臨場感を味わえる。
ダリアが使える3つの能力
メイソンに命じられたダリアが自身の超能力を駆使して、一見すると出口がない室内でゴールを目指すのが本作の目的だ。ダリアが使用できる超能力は、物を動かすテレキネシス、時間の進み方を遅らせるタイムスロウ、そして時間を跳躍するタイムシフトの3つ。これらをしっかりと“使いこなす”ことが、本作を進めていく際のポイントだ。
<テレキネシス>
<タイムスロウ>
<タイムシフト>
超能力を応用し、30以上のレベルを解き明かせ
本作では、さまざまなギミックが施された30以上のレベル(ステージ)が登場する。先に進むにつれて難易度が高くなり、能力を普通に使うだけではなく、工夫して応用していくことが重要となっていく。なお序盤は、よくサルやチンパンジーのテストとしてイメージされる、箱の上に乗ってバナナを取るという程度のもの。クリアは簡単なのだが、それを見たメイソンに大げさにほめられるのが、なかなかムカつく……。
各レベルはそれぞれ詰め将棋的なパズルになっており、超能力の使い方さえわかればクリアできる。ただ、テレキネシスで動かした箱でレーザーの光を遮断したり、タイムスロウで落ちてくる箱を途中で受け止めたりするなど、少し機転を働かせることが必要だ。超能力がどこまで影響するかを想像することが、クリアへの近道といえるだろう。
『Heroes/ヒーローズ』の秘密に迫れるか!?
本作には、タイムアタックや実績などの要素がない。そのため、各レベルを解きながら、『Heroes Reborn』の世界を楽しむというのがコンセプトに思える。ゲームを少しずつ明かされていく真実……。妹の安否は!? 2014年の廃墟となった研究所の姿は!? そして、メイソンが隠していることとは!? これらがすべてフルボイスによる演出で臨場感たっぷりに体感できるので、『Heroes/ヒーローズ』ファンにはたまらない作品となっている。
ただ、移動とテレキネシスを同じタップ操作で行うため、少々手間取ってしまうのが難点。仮想ジョイスティックもあるのだが、なぜか移動に慣性が働くようになり、細かい動作ができなくなってしまう。もしかしたら、超能力に慣れていないダリアのあいまいな動きを再現したのかも? それと、メイソンの独善的で科学の発展のためなら犠牲はつきものだという、典型的な“悪い”科学者ぶりは、本当にムカつくので要注意。実験動物的な扱いをされた気分を、本作で味わうことができるだろう。
なお、本作はiPhone 5以上が必要とあるが、筆者のiPhone 4Sでも問題なくプレイすることができた。ただ、少し熱を持ってしまうので、その点だけは留意しておこう。
- 使用した端末機種:iPhone 4S
- OSのバージョン:iOS 8.3
- プレイ時間:3時間
- 記事作成時のゲームのバージョン:1
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