超面白い! けど妙に理不尽な『BOXING STAR(ボクシングスター)』の楽しみ方

結局、なんだかんだと微課金でダラダラと2か月以上プレイしていた本作『BOXING STAR』。やっぱり課金しないと勝てないと判断し、本稿でレビューを書くことにしました。デベロッパーは韓国の「4:33Creative Lab.」。結構アクション系の良作を出している会社さんで、本稿でも以前『DC Universe Unchained』で取り上げています。

作品の作りは手堅く、操作はまずまずシンプルだがこの手のアクションでは起きがちな視認性はもうひとつといったところでしょうか。

でも、ボクシングゲームとしてはとても良くできているんですよ。

「ジャブ」「フック」「アッパー」の基本攻撃は良くある三すくみのじゃんけん構造ではなく、スキルツリーもすっきりしていて分かりやすい。

レベル制のため、やればやっただけ強くなる一方、有効な攻撃は何かを見極めながら進めていかないといくらキャラクターのレベルが上がってステータスが強くなっていてもちゃんと負ける、悪くないバランス。

対戦は人対人のリアルタイムではなく、誰かが作ったボクサーをCOMが繰り出してくるスタイルですから、どのボクサーもプレイヤー思い思いのキャラクターに仕上がっていて、思った以上にバラエティがあります。

アクションゲームとしてはただポチポチ押すだけでは勝てないように、それでいてシンプルな操作性の中に多くの要素を盛り込み、ちゃんとボクシングをしている感があるのはありがたい。

カネはかけずとも、腕があれば勝てる。これはガチャ課金に対抗する新しいアクションゲームの形だ。素晴らしい。ああ素晴らしい。と、そんな風に考えていた時期が、私にもありました。

まあ、やっぱり勝てないんですよね、課金勢に。

キャラクターや技スキルこそガチャではないのですが、避けにくい技をより有効に繰り出すために重要なのが「攻撃スピード」というパラメーターです。

簡単に見切れるはずのクソパンチでも、攻撃速度が高いとなかなか見極められないわけであります。で、喰らう。シンプルなフックなのに、超速で来ると避けられないんですよ。人間の壁を突破しない限り。

で、その攻撃スピードを高める方法は、レベルを上げるか、良いグローブやマウスピースをつける。なにそれ。こんなのボクシングじゃない。

でもね、ゲームの世界における大人の事情は、どうしてもカネをどう払わせるかに尽きるんですよ。

ガチャを回し良いグローブや装備を集め、そこについているスキルはランダムなので、望むスキルとボーナス値が出るまで何度でも改造を繰り返す。

改造に必要なものは、最高レベルの評価がついているグローブや装備を解体するときに得られるポイントなので、必然的に、強くなるためにはたくさんの装備をかき集め、ガチャを回さなければならない。

そして、攻撃速度がクソ高く、避けづらい攻撃をセットしている敵プレイヤーはCOMが動かしているくせに超強い。

もうね、避けられないんですよ。右か左か、あるいはガードすればいいんでしょうけれども、ものすごく速い攻撃を出してくる育った課金済み敵プレイヤーは、こちらの最速攻撃であるジャブ連打のジャブとジャブの間にフックを打ってくる。ありえん。勝てるわけないじゃん、こんなの。

それでも頑張って見極めて勝って、やったぞと思い上のリーグにいく、しかしその上のリーグにはさらなる課金兵が超高速メガパンチを引っ提げ立ちはだかっておるわけです。

もちろん、こちらは中年の衰えた眼力でも長年培ったゲーマーとしての経験と根性で立ち向かうわけなんですが、このゲームの仕様はさらなる課金を要求してくるのです。

これがイーブンな実力の試されるゲーセンの対戦台なら、勝つまで粘るぞと100円玉を積み上げることで決意を示すことも可能なのでしょうが、いけないこのゲームはいけない。

しまいには、フェイクフックとフェイクステップフックとローリングフックとか出てくる。似たモーションなのに右に避ければいいのか左なのか、見分けがつかねえよ。

でも、このゲームには新しい試みが満載です。

ユーザーはリーグ戦を勝ち進めれば時間で開けられるリーグ報酬を得ることができるのですが、リーグ報酬を取っておけるのは4個まで、同時に開けられるのは1個まで。

そうすると、リーグ報酬に4時間後、4時間後、8時間後、12時間後とかいうリーグ報酬が並んで、早く開けたければカネを払え、リーグ報酬枠が開いてなければリーグ戦で勝っても報酬は貰えない、という画期的な仕組みです。

良く考えてるんだよね。ガチャであれ、ボクシングのゲーム性であれ、世界観であれ。

私はデフォルトでサポートしてくれる口の悪い幼馴染をずっとマネージャーにしていますが、リーグのうえのほうには女を侍らすプレイヤーあり、悪友とつるむプレイヤーあり。良い車に乗り、豪邸やリゾート地でパーティーをし、いや、雰囲気はとってもいいんですよ。

とはいえ、自分でプレイしてもなかなか勝てないので、対人戦で嫌な戦術のひとつである「ジャブ3種類しか打ってこず、ガードを固めて体力の削り合いにするボクサー」を作り、たまにログインしたときに出てくる「お前は10勝6敗だったぞ」という勝ち越しコメントをガッツポーズをするわけなんですよ。ああ、負けてムカついた奴がそれだけいたんだろうな、と。

そんなわけで、本作ゲームは途中までは最高に面白いです。良いアクションゲームだなあって。壁にぶち当たって課金して乗り越えたくなるかどうかですべてが決まる!!

そんなゲームです。ご関心のある方はぜひ。

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