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この夏買うべきゴーグルは?
さきごろ閉幕したE3でも一大トピックとなったVR。10月にPlayStation VRを控え、いよいよ本格的にVRが始動する気配を見せている。
同時に、スマートフォン用のVRゴーグルも多種多様な製品が次々に登場。ダンボール製が主流だったころと比べると、プラスチック製のゴーグルだけでも多くの選択肢があるのが現状だ。
この記事では、前後編に分けて、対応するスマホサイズや使用感を、実際に検証。VRゴーグル選びの参考にしてほしい。
VIRTUAL REALITY GLASSES RK5th
- 購入価格:2,500円
- メーカー:YUKISS
- 本体サイズ:198(幅)×110(高さ)×135(奥行き)mm
- 対応スマホサイズ:4.0~5.5インチ(外寸によっては非対応)
- 重量:320g
ホールド感は高いが、スマホ本体を傷つける恐れも
「VIRTUAL REALITY GLASSES RK5th(以下、RK5th)」は、4.5~5.5インチサイズのスマホに対応したプラスチック製のVRゴーグル。
ばねのテンションを利用したストッパーでスマホを固定するのだが、これが非常に力強くスマホをはさみ込むため、装着時に激しく頭を動かしてもずれる心配はない。
しかし、着脱時にスマホを傷つける可能性があるため、慎重に取り扱う必要がある。
また、側面に電源ボタンやボリュームボタンがあるスマホでは、締め付けが強いあまり、意図しないボタン入力が発生してしまうことも。
この辺りの完成度は、おせじにも高いとはいえないレベルだ。
商品説明では、4.5~5.5インチサイズのスマホに対応となっているが、付属のラバーパッドをストッパーに付けることで、iPhone SEなどの4インチサイズのスマホでも使用することが可能。
逆に、5.5インチのiPhone 6s Plusはギリギリ収まるといったサイズかと思いきや、ストッパーと本体のツメが干渉してしまい、蓋を閉めることができなくなってしまう。
側面に設けられている空気孔を通して、イヤホンをつなげることができるが、L字型の端子でないと、ゴーグル本体の淵と干渉してしまい接続できないこともマイナスポイント。
RK5thの使用感
実際に使用してみて、まず気になったのが、本体カバーの色。カバー部分がホワイトのため、スマホ画面の周りが明るくなってしまう。
これによってスマホ前面の淵がはっきりと目立ってしまい、没入感の妨げとなっている。
RK5thではピントと瞳孔距離が調整できるものの、らこの問題はどうしても解消できなかった。
ヘッドバンドのおかげで、安定して頭を振り回せるが、VRコンテンツを存分に楽しむという点においては、あまりおすすめできないゴーグルとなっている。
よかった点
- 2,500円と、かなり安価
- サイズが小さいスマホ用のラバーパッドが付属
- キーホルダーのおまけ付き
期待はずれな点
- スマホの画面周りが気になる
- イヤホンの接続がしにくい
VRゴーグルを評価する際に重要な没入感という観点では、1,000円で入手できる「Google Cardboard」にすら劣っている。
とりあえずVRを体験したいという場合でも、本機よりダンボール製のほうがおすすめできる。
Uvistar VRゴーグル
- 購入価格:2,200円
- メーカー:Uvistar
- 本体サイズ:160(幅)×97(高さ)×135(奥行き)mm
- 対応スマホサイズ:4.7~6.0インチ(外寸によっては非対応)
- 重量:280g
大型端末への対応と手軽さが魅力
「Uvistar VRゴーグル」は、イエロー、ホワイト、ブルー、ローズの4色展開。今回は、イエローを購入した。
スマホの固定は、収納せずにはさむだけで完了。スマホの背面と接触する部分には、ゴムによる滑り止めがあり、薄いスマホでもしっかり固定することが可能だ。
この設計のおかげで、かなり大きいスマホにも対応することができ、5インチ以上のディスプレイがあたりまえになってきたAndroidユーザーでも安心して使えるだろう。
その反面、小さいスマホを装着した場合、本体に設けられた穴を塞ぎきることができず、周囲の光が入り込んでしまう。
没入感が著しく低下するので、4インチサイズのスマホユーザーには向いていないゴーグルとなっている。
Uvistar VRゴーグルの使用感
スマホを差し込むだけで使えるため、画面の位置を調整しやすいのが、他のゴーグルにない利点だ。
しかし、レンズの調整は左右にしか行えないので、正確にピントを合わせるのは難しい。
実際に装着して思ったことは、視野角がやや狭いということ。少し離れた場所にスクリーンがあるような感覚で、没入感は高いとは言い難い。
しかし、前面をしっかりと覆うことができるサイズのスマホを使えば、光が入り込むことがないので、入門としてはじゅうぶんなVR体験を味わうことができるはずだ。
ヘッドバンドは取り外しができるので、窮屈に感じたり、髪の毛の乱れが気になる人でも使いやすいゴーグルとなっている。
よかった点
- RK5thより安価な2,200円
- 大型スマホにも対応
- スマホの着脱が手軽
期待はずれな点
- 視野角が狭い
- 画面がやや遠くに見える
- 4インチスマホに向かない
視野角の狭さに目をつぶれば、手軽に使いやすい優秀なゴーグル。価格も2,200円とかなり安価のため、とりあえずVRを体験してみたいという人の入門用としては最適の1台だ。
Virtoba X5 VR
- 購入価格:3,980円
- メーカー:Virtoba
- 本体サイズ:215(幅)×120(高さ)×195(奥行き)mm
- 対応スマホサイズ:4.0~6.0インチ(外寸によっては非対応)
- 重量:440g
タッチボタン搭載のヘッドセット一体型ゴーグル
今回取り上げた中で、唯一のヘッドセット一体型ゴーグルが「Virtoba X5 VR(以下、X5)」。
Uvistar VRゴーグルとは違い、ケースの中にスマホを収納するタイプでありながら、6インチサイズのスマホにも対応している。
底面には、ヘッドセットの音量調節キーとスマホ画面タッチ用のボタンを装備。スマホを取り外すことなく、音量調節とタッチ操作が行える、ハイスペックなゴーグルだ。
4~6インチのスマホを使用できるので、現在、普及しているほぼすべてのスマホに対応していることになる。
また、ケース内にあるヘッドセットのケーブルは、カールタイプとなっていて、イヤホンジャックがどの位置にあっても届くように設計されている。
パッケージの底面には、Google Cardboardアプリで使用するQRコードが記載されている。
これを読み込むことで、Cardboard対応アプリでは、X5のレンズ間の距離やスマホ-レンズ間の距離、スマホのセット位置に最適化されたコンテンツを楽しむことが可能だ。
X5の使用感
使用時にどうしても気になってしまうのが、ゴーグル本体の重さだ。
本体のみで約440g、スマホと合わせれば、確実に500g以上の総重量となるので、500mlのペットボトルを頭に乗せているようなもの。
長時間にわたっての使用は、首への負担が大きいので、寝転びながらの使用が望ましい。
見え方に関しては視野角が広く、ヘッドセットで周りの音がシャットアウトされるので、没入感は随一だ。
よかった点
- 視野角が広く没入感がある
- 安定してサウンドを楽しめる
- タッチボタンでスマホを取り出さずに操作できる
期待はずれな点
- とにかく重い
- 頭が小さい人だとヘッドセットがゆるい
少し高価なことと重さが欠点だが、それ以外の部分は完成度の高いゴーグル。本格的なゴーグルが1台ほしいと考えている人には、間違いなくおすすめできる。