-
2016年夏版VRゴーグルカタログ(後編)はこちら
-
2016年夏版VRゴーグルスペックの比較はこちら
-
VRゴーグルといっしょに使いたいアクセサリーはこちら
-
これから出てくる期待のVRゴーグルはこちら
-
VRゴーグル向け映像コンテンツはこちら
-
VRゴーグル向けおすすめゲームはこちら
この夏買うべきゴーグルは?
さきごろ閉幕したE3でも一大トピックとなったVR。10月にPlayStation VRを控え、いよいよ本格的にVRが始動する気配を見せている。
同時に、スマートフォン用のVRゴーグルも多種多様な製品が次々に登場。ダンボール製が主流だったころと比べると、プラスチック製のゴーグルだけでも多くの選択肢があるのが現状だ。
この記事では、前後編に分けて、対応するスマホサイズや使用感を、実際に検証。VRゴーグル選びの参考にしてほしい。
VIRTUAL REALITY GLASSES RK5th
- 購入価格:2,500円
- メーカー:YUKISS
- 本体サイズ:198(幅)×110(高さ)×135(奥行き)mm
- 対応スマホサイズ:4.0~5.5インチ(外寸によっては非対応)
- 重量:320g
ホールド感は高いが、スマホ本体を傷つける恐れも
「VIRTUAL REALITY GLASSES RK5th(以下、RK5th)」は、4.5~5.5インチサイズのスマホに対応したプラスチック製のVRゴーグル。
RK5th本体に加え、サイズが小さいスマホを対応させるためのラバーパッド、キーホルダー、日本語マニュアルが付属
ばねのテンションを利用したストッパーでスマホを固定するのだが、これが非常に力強くスマホをはさみ込むため、装着時に激しく頭を動かしてもずれる心配はない。
しかし、着脱時にスマホを傷つける可能性があるため、慎重に取り扱う必要がある。
ばねの力が強く、がっちりと固定できる。ただし、ストッパーなどの各部品は面取りがなされていないので、スマホや指を傷付けないよう注意する必要がある
また、側面に電源ボタンやボリュームボタンがあるスマホでは、締め付けが強いあまり、意図しないボタン入力が発生してしまうことも。
この辺りの完成度は、おせじにも高いとはいえないレベルだ。
商品説明では、4.5~5.5インチサイズのスマホに対応となっているが、付属のラバーパッドをストッパーに付けることで、iPhone SEなどの4インチサイズのスマホでも使用することが可能。
ラバーパッドの厚さは約4mm。1個はさめば、iPhone SEや5sをしっかり固定できる。ストッパーと直接触れることがなくなるので、5インチ以上のスマホを使用する際にも、傷防止に役立つ代物だ
逆に、5.5インチのiPhone 6s Plusはギリギリ収まるといったサイズかと思いきや、ストッパーと本体のツメが干渉してしまい、蓋を閉めることができなくなってしまう。
iPhone 6s Plusの外寸は、縦158.2×横77.9×厚さ7.3mm。蓋が閉まらないため、手を添えて使うことになるが、これが対応する最大のサイズとなっている。
iPhone 6s Plusとほぼ同じサイズのXperia Z5 Premiumは、四隅が角張っているため、うまく収まりきらなかった
側面に設けられている空気孔を通して、イヤホンをつなげることができるが、L字型の端子でないと、ゴーグル本体の淵と干渉してしまい接続できないこともマイナスポイント。
ストレート型の端子だと収納することは不可能。また、5.5インチサイズのスマホだと、L字型すら接続できない
iPhone SEのような小さいサイズのスマホなら、ストレート型端子のイヤホンも接続できる。iPhone純正のイヤホンだと、コネクタ周りがコンパクトなため、より余裕を持ってつなげることが可能だ
RK5thの使用感
実際に使用してみて、まず気になったのが、本体カバーの色。カバー部分がホワイトのため、スマホ画面の周りが明るくなってしまう。
これによってスマホ前面の淵がはっきりと目立ってしまい、没入感の妨げとなっている。
RK5thではピントと瞳孔距離が調整できるものの、らこの問題はどうしても解消できなかった。
ダイヤル式ではなく、レンズを前後左右に直接動かすため、細かな調整はやりにくい。実際に調整した際も、引っかかってうまくスライドできないことが多かった
ヘッドバンドのおかげで、安定して頭を振り回せるが、VRコンテンツを存分に楽しむという点においては、あまりおすすめできないゴーグルとなっている。
頭を頻繁に動かすようなコンテンツも、ハンズフリーで体験することができる。ヘッドバンド付きの宿命だが、髪の毛の乱れは避けられない
よかった点
- 2,500円と、かなり安価
- サイズが小さいスマホ用のラバーパッドが付属
- キーホルダーのおまけ付き
期待はずれな点
- スマホの画面周りが気になる
- イヤホンの接続がしにくい
VRゴーグルを評価する際に重要な没入感という観点では、1,000円で入手できる「Google Cardboard」にすら劣っている。
とりあえずVRを体験したいという場合でも、本機よりダンボール製のほうがおすすめできる。
Uvistar VRゴーグル
- 購入価格:2,200円
- メーカー:Uvistar
- 本体サイズ:160(幅)×97(高さ)×135(奥行き)mm
- 対応スマホサイズ:4.7~6.0インチ(外寸によっては非対応)
- 重量:280g
大型端末への対応と手軽さが魅力
「Uvistar VRゴーグル」は、イエロー、ホワイト、ブルー、ローズの4色展開。今回は、イエローを購入した。
付属品は日本語・英語両対応のマニュアルのみ。マニュアルは、よく読むとところどころ日本語がおかしい……
スマホの固定は、収納せずにはさむだけで完了。スマホの背面と接触する部分には、ゴムによる滑り止めがあり、薄いスマホでもしっかり固定することが可能だ。
この設計のおかげで、かなり大きいスマホにも対応することができ、5インチ以上のディスプレイがあたりまえになってきたAndroidユーザーでも安心して使えるだろう。
縦159.3×横77.8×厚さ7.3mmのNexus 6pも難なく装着できた。これ以上のサイズのいわゆるファブレット端末になると、画面がはみ出してしまいそうだ
スマホの外装がむき出しになるので、イヤホンの接続が容易にできる。上下どちらにイヤホンジャックがあっても対応可能だ
その反面、小さいスマホを装着した場合、本体に設けられた穴を塞ぎきることができず、周囲の光が入り込んでしまう。
没入感が著しく低下するので、4インチサイズのスマホユーザーには向いていないゴーグルとなっている。
画像は、iPhone 5sを装着したところ。上下左右に隙間が生じてしまい、入り込む光がどうしても気になってしまう
4インチのスマホなら若干の余裕があるため、ケースを付けたままでも装着することが可能。わざわざ取り外さないで済むのは、手軽でうれしいポイントだ
Uvistar VRゴーグルの使用感
スマホを差し込むだけで使えるため、画面の位置を調整しやすいのが、他のゴーグルにない利点だ。
しかし、レンズの調整は左右にしか行えないので、正確にピントを合わせるのは難しい。
底面のスライドバーでレンズの位置を左右に調整できる。前後に動かすことができないので、ピントを合わせにくいのは残念なところ
実際に装着して思ったことは、視野角がやや狭いということ。少し離れた場所にスクリーンがあるような感覚で、没入感は高いとは言い難い。
しかし、前面をしっかりと覆うことができるサイズのスマホを使えば、光が入り込むことがないので、入門としてはじゅうぶんなVR体験を味わうことができるはずだ。
ヘッドバンドは取り外しができるので、窮屈に感じたり、髪の毛の乱れが気になる人でも使いやすいゴーグルとなっている。
ヘッドバンドをした方が安定感があるのは明らか。しっかりコンテンツを楽しみたいなら、へっどんバンドは外さずに使おう
よかった点
- RK5thより安価な2,200円
- 大型スマホにも対応
- スマホの着脱が手軽
期待はずれな点
- 視野角が狭い
- 画面がやや遠くに見える
- 4インチスマホに向かない
視野角の狭さに目をつぶれば、手軽に使いやすい優秀なゴーグル。価格も2,200円とかなり安価のため、とりあえずVRを体験してみたいという人の入門用としては最適の1台だ。
Virtoba X5 VR
- 購入価格:3,980円
- メーカー:Virtoba
- 本体サイズ:215(幅)×120(高さ)×195(奥行き)mm
- 対応スマホサイズ:4.0~6.0インチ(外寸によっては非対応)
- 重量:440g
タッチボタン搭載のヘッドセット一体型ゴーグル
今回取り上げた中で、唯一のヘッドセット一体型ゴーグルが「Virtoba X5 VR(以下、X5)」。
Uvistar VRゴーグルとは違い、ケースの中にスマホを収納するタイプでありながら、6インチサイズのスマホにも対応している。
本体の他に、マニュアル(英語)とクリーニングクロスが付属。気が付けばレンズが汚れていることがあるので、クリーニングクロスの付属はうれしいポイントだ
底面には、ヘッドセットの音量調節キーとスマホ画面タッチ用のボタンを装備。スマホを取り外すことなく、音量調節とタッチ操作が行える、ハイスペックなゴーグルだ。
音量調節キーは垂直に押し込むと、着信に応答する役割も備えられている。VRを楽しんでいる最中に電話がかかってきても安心だ
4~6インチのスマホを使用できるので、現在、普及しているほぼすべてのスマホに対応していることになる。
iPhone 6s Plusを装着しても若干の余裕がある。スマホの固定は、ケース内で背面から押さえつける方式で、傷は付きにくい
4インチサイズのスマホを装着する場合は、中心部に位置するように手で支えながらケースを閉める必要がある
また、ケース内にあるヘッドセットのケーブルは、カールタイプとなっていて、イヤホンジャックがどの位置にあっても届くように設計されている。
伸縮性のあるカールタイプのケーブルを採用。使用するスマホの種類に関わらず、ヘッドセットに接続することが可能だ
パッケージの底面には、Google Cardboardアプリで使用するQRコードが記載されている。
これを読み込むことで、Cardboard対応アプリでは、X5のレンズ間の距離やスマホ-レンズ間の距離、スマホのセット位置に最適化されたコンテンツを楽しむことが可能だ。
Google CardboardアプリでQRコードを読み込めば、画面の表示をX5に最適化してくれる。使用する前に必ず行っておこう
X5の使用感
使用時にどうしても気になってしまうのが、ゴーグル本体の重さだ。
本体のみで約440g、スマホと合わせれば、確実に500g以上の総重量となるので、500mlのペットボトルを頭に乗せているようなもの。
長時間にわたっての使用は、首への負担が大きいので、寝転びながらの使用が望ましい。
筆者のGalaxy S7 edgeを装着した場合、総重量は約600gとなった。実際使ってみても、かなりの重さを感じてしまった
見え方に関しては視野角が広く、ヘッドセットで周りの音がシャットアウトされるので、没入感は随一だ。
耳がふさがれるだけで、現実から隔離されたように感じられる。が、やはり重さがどうしても気になってしまう
よかった点
- 視野角が広く没入感がある
- 安定してサウンドを楽しめる
- タッチボタンでスマホを取り出さずに操作できる
期待はずれな点
- とにかく重い
- 頭が小さい人だとヘッドセットがゆるい
少し高価なことと重さが欠点だが、それ以外の部分は完成度の高いゴーグル。本格的なゴーグルが1台ほしいと考えている人には、間違いなくおすすめできる。