#コンパス攻略

かいりきベア×林Pが教える『#コンパス 』リリカ誕生秘話

NHN PlayArtとドワンゴが共同開発する『#コンパス~戦闘摂理解析システム~』(以下、#コンパス)では、ヒーローのキャラクターデザインとテーマソングをniconicoで活動するクリエーターが担当しているのが特徴。今回は、そんなヒーローの1人「リリカ」誕生のきっかけやテーマソングについて、NHN PlayArtの林プロデューサーとかいりきベアにインタビューをしてきた。

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アルカリレットウセイに隠された秘密に迫る!

『#コンパス』で実現したniconicoのクリエーターとの共同開発。

以前の林プロデューサー(以下、林P)へのインタビューでも、そのきっかけを聞かせていただいたが、実際にその開発の様子はどのようなものであったのだろうか。

niconicoクリエーターのイマジネーションは、どのようにゲームに活かされているのか?

そのような疑問を解決すべく、ヒーローに焦点を当てて、ヒーローにかかわった人たちに話を聞いていくシリーズ1回目は、リリカにスポットを当てる。

キャラクターデザインはクロワ(NHN PlayArt)。テーマソングは、かいりきベアが担当しており、声を演じるのは青木志貴さんだ

アルカリレットウセイ

今回は、ガンナーのヒーロー「リリカ」をテーマに、「アルカリレットウセイ」を作曲したかいりきベアと、キャラクターデザインを担当したNHN PlayArtから、林プロデューサー(林P)に話を聞いた。

左から林Pとかいりきベア。真ん中にはリリカが描かれたタペストリーが!

ガンナー第1号として誕生したリリカ

まず、リリカというキャラクターは、どのようなきっかけで生まれたのだろうか。

「リリカは、ゲームのルールが完成する前、ヒーローのロールを考えたときに、ガンナーの基本となるヒーローとして作り始めました」

リリカ誕生のきっかけを林Pはこう明かす。双挽乃保、リリカ、ジャスティス、十文字アタリの4人は、それぞれのロールの第1号として開発チーム内で作られたという。

「ガンナーと言っておきながら、1人目から魔法少女と攻めてしまいましたが、遠距離攻撃といえば魔法かなという連想からリリカを作りました」と笑う林P

さまざまな世界観のヒーローがなんでも入っているというコンセプトは、当初から考えられていた。

そのため、最初に作られた4人には、ゲーム、アニメ、SF、学園モノといったキャラクター性のバリエーションを持たせたのだという。

しかし、まだ、キャラクターが作られた段階で、用意されていた設定は「『魔法少女リリカルルカ』というアニメの主人公」「ルルカというキャラクターのほうが人気がある」の2つのみだった。

『魔法少女リリカルルカ』の世界は、カードスキルのイラストでも垣間見られる。魔法少女はリリカ以外に5人おり、全員ラ行が入っている

かいりきベアが音楽の道に入ったきっかけはあのゲーム!

リリカのキャラクターの原型ができてきたところで、テーマソングを担当するかいりきベアの出番となるのだが、VOCALOID(ボカロ)の楽曲に詳しくないという人のために、彼の経歴を紹介しよう。

2011年に第1作『ワカレノオト。』を投稿しデビュー。

2015年3月には、1stアルバム『IMITATION GALLERY』で、メジャーデビューを果たした人気のVOCALOIDプロデューサー(ボカロP)のひとりだ。

ワカレノオト。

現在、人気ボカロPとして活動する彼が音楽の道を歩みだしたのは学生時代。

当時、ゲームセンターに通う音楽とは無縁な少年だったという彼は、とある格闘ゲームの音楽に衝撃を受けた。

「『GUILTY GEAR』(ギルティギア)を学生時代にプレイしていて、メタルなBGMがかっこよくて、ギターを始めました。なので『#コンパス』でコラボをしたときは驚きました」

その後、独学でギターを練習した彼は、インターネットのメンバー募集サイトを通じてヴィジュアル系バンドに参加。

当時の音楽性と現在の音楽性の違いについて聞いてみると「今のVOCALOID楽曲は『四つ打ち(※1)』のリズムの曲が多いのですが、当時演奏していたのは、シンコペーション(※2)の90年代~2000年代のビジュアル系に近い曲でした」

※1 四つ打ち:「ドン・ドン・ドン・ドン」と1小節に均等に4回バスドラムを鳴らすリズムの取り方。テクノやハウスなどのノリが良いダンスミュージックで多用される

※2 シンコペーション:リズムをとる拍の強弱を変える手法。例えば「タン・タン・タン・タン」というリズムのあとに「タン・タン・タターン」というリズムが続く。シンコペーションを入れることで躍動感が生まれる

「作詞作曲は、ほかのメンバーが担当し、僕はギター専門という状態でした」

楽曲がカラオケで配信され、海外での公演も実現したが、2011年にバンドから脱退する。

「2007年ごろからボカロブームがあって、ニコニコ動画でVOCALOID-PVをよく聞いていて、バンドを辞めたのを機に、自分でも投稿を始めました」

作詞作曲もほとんど初挑戦というスタートから、バンド時代に培ったギター演奏を生かしたロックサウンドをはじめ多彩な曲を発表してきた。

5作目『完全懲悪ロリィタコンプレックス』は、10万再生を達成し、VOCALOID殿堂入りを果たした。

完全懲悪ロリィタコンプレックス

最初は不慣れで難産だったという作詞だったが、独特な物語性のある歌詞の曲も人気となり、『マネマネサイコトロピック』と『イナイイナイ依存症』は小説化もされた。

マネマネサイコトロピック

イナイイナイ依存症

バラエティ豊かな楽曲を発表し続ける秘訣について「そのときに、よく聞かれているボカロ曲について研究しています」と明かす。

ドラムパターンはどんなものがいいのか、イントロフレーズは何のスケール(音階)を使っているのか、どんなメロディーなら多くの人に聞いてもらえるのか。

先の物語性のある歌詞も、ストーリー性のある曲への関心が高まっていたことをきっかけに、作ったものだという。

そんなたゆまぬ研究を重ねることによって、聞く者の耳に残るサウンドが生み出されいる。

アルカリレットウセイが描き出すリリカの内面

かいりきベアに、リリカのテーマソングの依頼が届いたのは、2016年の夏。

最初に与えられた情報は、キャラクターの仕様とイラスト、そして「魔法少女リリカルルカというアニメの主人公」「ルルカというキャラクターの方が人気がある」という設定のみ。

「最初に思い浮かんだのはサビの『ルルカリリカルラ リラルララ』というフレーズとメロディでした」

サビから肉付けをするように、曲を作り、同時進行で歌詞をつけていったという。耳に残る特徴的なイントロは、一番最後に作られた。

普段はバンドサウンドで作っていたが、魔法少女アニメを意識し、シンセサイザーによるかわいらしい音を選んだ。

そして、曲作りの上で、かいりきベアが注目したのはリリカの「ルルカというキャラクターのほうが人気がある」というポイント。

「ルルカのほうが人気があるというところで、リリカは劣等感を感じているんじゃないかと思ったんです。

そこで、ゲーム内では明るく振舞っているんですけど、本当は自分を繕っている少女というのを書いてみました」

また、明るそうな曲調とダークな歌詞の組み合わせには、ボカロPとしてのこだわりもあった。

「明るい魔法少女の曲なら、もっとうまく書ける人がたくさんいると思うんです」とかいりきベアは切り出す。

普段は、暗いテーマの曲を多く書いている自分がどうして、彼女の曲を書くのかということを考えたとき、ゲーム内で流れる音楽という位置づけだけでなく、自身が投稿する動画から『#コンパス』というゲームにつなげていくことに意識が向いたという。

これまで、名前が出ない形でゲームに音楽を提供したことはあったが、「かいりきベア」という名前が出る形での仕事は初めて。

そして、イントロや曲調の明るい魔法少女感に、ダークなかいりきベア感をミックスし、最終的に行き着いた『アルカリレットウセイ』だった。

数あるボカロのなかで、初音ミクを起用した理由を聞いてみた。

「持っているボカロソフトをひと通り試したなかで、一番しっくり来たのが初音ミクでした。曲も歌詞も暗めなので、DARK(※3)がマッチしました」

※3 DARK:初音ミクには声色ごとに複数のデータベースが用意されている。DARKは、きれいな声と息遣いで、物憂げな歌声を表現する

開発当初のリリカは3頭身だった!

とはいえ、思い切った歌詞について、ゲーム開発側からどのように思われるかという不安はあった。

「最初に、提出したときはダメだといわれたら、すぐに作り直す気持ちで待機していました」と提出時の心境を話す。

対する、林Pは「リリカのテーマソングとして、最初はアニメのオープニング曲のような明るいものをイメージしていました。なので、初めて聞いたときは『そうきたか!』と唸りました」と振り返る。

「リリカには元から『ストレートな魔法少女ではない』というイメージがあったので、そこにうまくはまったなと思いました」と林Pは語る。

開発からの「このまま行きましょう」という返事に、かいりきベアは胸をなでおろした

林Pによると、この段階でのリリカのイラストは、現在のものよりも幼かったのだという。

「最初、かいりきベアさんにお見せしたときは、まだ3頭身くらいの子どもっぽいリリカだったんです。

ただ、曲のイメージが僕らのなかに刷り込まれて行って、開発内でももっと磨きたいねという話になり、今の5頭身くらいの姿になりました」

ボカロPや絵師から、当初のイメージとは異なる曲が上がってくることに対して「もともと『#コンパス』にいろいろなクリエーターが参加するうえで、懐が深いように作りたいと思っています」と語る。

開発とクリエーターの関係について「作っていただいたものに合わせて、僕たちもゲームをブラッシュアップしていくのが『#コンパス』かなって思っています」と林Pは語る

最後に、ゲームでリリカを使っているユーザーについて「リリカを愛してくださっている方がすごく多くいて、感謝の気持ちでいっぱいです」と感謝の気持ちを話すかいりきベア。

『#コンパス』のniconicoとの取り組みについて「ゲームを通じて曲を聞いてくれたり、逆に曲がきっかけになってゲームを遊んでもらったりと、ユーザーのなかで作品同士がリンクしてくれたら、うれしいですね」と思いを語ってくれた。

魔法少女という設定に、かいりきベアのテーマソングがついたことで陰影が生まれ、キャラクターとしての魅力が増したリリカ

複数のクリエーターが絡み合うことで、作品により深みが生まれるシナジーも、『#コンパス』の魅力なのだろう。

(C) NHN PlayArt Corp.
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