リネージュM(リネM)攻略

リネージュM(リネM)【反王ブログ】:#33 ワタルとケン

MMO、それは長い年月をかけた物語。

総員、我が名はケンラウヘル。すなわち反王である。

ワタルとケン

今回は我と一緒に同じサーバーでプレイしている私の友人、「ワタル」について語ろう。

ワタルとの出会いは我が20歳の時だ。

リネージュ1での知り合いなのだが、元々我と一緒にリネージュをプレイしていたという訳ではない。

我のチームと親交のあった、他の血盟の盟主から「ちょっと厄介で面倒な奴がいる、そちらで血盟員として受け入れてくれないか」という唐突な話があった。

人数が欲しかった我は彼を受け入れる事にした。

何かあったら追放すればいい、そんな感じで考えていた。

彼は地エルフで、レベルもそこそこ。

ただ我のチームに入ってからというものの、元の盟主が懸念していた「厄介で面倒」という意味が少し理解できた。

とにもかくにも、血盟チャットで騒がしい。

騒がしいのならまだいいのだが、これが「無駄に」騒がしいという感じだ。

簡潔に言うと、純粋に会話の邪魔なのである。

だが彼には悪意というものは一切なかった。

そしてなんやかんや言って絶対に人を貶したり、傷つけたり、嫌なことを言うことはなかった。

逆に言うと、ただただ「ウザい」という感じだった。

初めてのオフ

最初こそ煩い、ウザいという感じだったのだが、どうも憎めないのは何故だったのかは分からない。

前の血盟では厄介者だったようだが、この血盟ではいつの間にか人気者になっていた。

常に話題の中心というか、いじられても一切くじけない鋼の心。

ワタルはいつの間にか「メンタルにアイアンスキンをかけた男」として、我が軍に来てから早い段階で馴染んでいた。

いや、馴染んでいたどころの騒ぎではない。

溶け込んでいたという表現の方が正しい。

そんな最中、我とワタルが血盟チャットで話していた時、奇遇にも同い年であることが判明した。

当時我は大学生、彼も大学こそ違うものの、都内の大学に通っていた。

大学二年だったか三年だったか。

彼とは大学や就職活動の話になっていた。

「ワタルはどっか狙ってるの?就職」

「いや、でもただゲームとか、エンターテインメントとか、そういうのがいいな」

リネージュ1は当時「チャットツール」と呼ばれていたくらい、チャットに適したゲームだった。

ゲームに関係ない会話が日常茶飯事。

リアルのことの方がチャットの大半を占めていると言っても過言ではない。

「こんな面白いフラッシュを見つけた」とか「最近GANZっていうゲームが流行ってるらしいからやってみようぜ」とか。

普段大学で人と話すのと同じ感じ、むしろ気を使わない分、こちらの方が遥かに居心地が良い。

ワタルとは延々と就職活動の話題で持ちきりだった。

何せ大学生、社会人直前で期待と不安に満ち溢れていた時だ。

今ほどネットも活発ではないから、企業なんていう言葉も考えたことすらなかった。

当たり前のように就職活動をし、当たり前のように就職する。

正直いうとその活動も、「活動」とは名ばかりで、本質は退屈だった。

色々な企業を見るのは楽しいものだ。

色々とこんなになっているんだとか、興味はあれど、何故か会社説明会を聞いているうちに退屈してくる。

皆同じようなスーツを着て、皆同じようにメモをとる。

自分の興味のある会社だったらまだいい。

だがその時の我は就職というものに対して漠然としたものしか考えていなかった。

就職というものは、自分よりも周りの方が煩いという記憶しかない。

両親からは延々と言われ、ちょっと歳が上のしょうもない部活動の諸先輩共が就活のノウハウを聞いてもいないのにひけらかし、OBという名の威張り散らしたサラリーマンの自慢話を強制的に聞かされたり。

うんざりしていた。

今の世の中はネットや情報、それが表向きの良いものだけではなく、リアルな現場の声とかも拾いやすくなっている。

今の時代に就職活動をするのであれば、どんな風に変わっていたのだろうと思うのは、歳を食ったからだろうか。

さて、そんな中、ワタルといつものように夜にリネージュにINし、ペアハントをしていた時だ。

「ケンって、就職活動はしてるん?」

「まぁ、そこそこって感じさ、周りと同じように適当な感じ」

「まぁ皆そうだよなぁ」

「でもやりたい事が明確に決まってていいじゃん、ワタルは。その業界を数打ちゃ当たるで悩むこともなさそうだし」

「うーん、でも不安なんだよねぇ、色々と。それだけでいいのかなって」

「まぁ色々と見てから決めるでいいんじゃないか? 就職説明会とかも色々とあるし」

ドラゴンバレーケイブで湧いてくるムリアンを薙ぎ倒しつつ、突如現れるサキュバスの群れに対応しながらこんな感じで話す。

どこかしらリネージュ1時代は、いくら狩りがきつくとも、これくらい余裕を持ってチャットをできるというスキルを秘密ながら競っていたところもある。

「そういえばさ、来週、●●●で合同会社説明会があるの、知ってる?」

ワタルからこう切り出された。

合同会社説明会というのは、多くの企業が1つの場所に集まって就活生に向けて説明をするといった趣旨の催し物だ。

「パンフではやってるって見たけど、完全スルーしてたわ」

「ケン、そしたらさ、一緒に行こうぜ、会社説明会」

それは突然の申し出だった。

彼は都内の大学生で同い年だったのは知っていたが、まさかこんな形で誘われるとは思っていなかったのだ。

リネージュ1で同じチームになってから大体3ヶ月くらいの時だろうか。

会社説明会というのは退屈で仕方ない。

最初こそ興味があったが、23つと参加していくうちに面白みというか、結局何が自分にとって良い会社なのかが分からなくなったのが事実だ。

大学の同級生と行く会社説明会も色々とあったが、まぁありきたりというか、面白いと感じたことは一度もない。

だが、このワタルと会社説明会に行ったらどんな事が起きるのか。

何故かその時、会社説明会が楽しそうに感じたのだ。

「じゃあ、●●●駅に、来週土曜日、12:00集合な」

会社説明会がどういうものかも知らないのに、我はサキュバスを倒しながらチャットを打ち込んでいた。

ワタルとの出会い

当時はスマホなんていうのは当然ない。

ガラケーで、お互いの電話番号とEメールアドレスを交換していたので、実際に会うのは余裕だった。

「おお!? ワタル!?」

「いよっ」

この初対面だけは鮮明に覚えている。

中指と人差し指の2本で額の前に構え、その指を横に切るような仕草。

ちょっと顔は斜に構え、自信満々の、絵に描いたようなドヤ顔。

ドラマで出てくるハードボイルドな探偵が、軽く挨拶するような、あのイメージ。

普通にやれば格好いいのだろう。

格好いいというか、キザに見えるだろう。

だが彼の顔は、どっからどう見ても

テツandトモのテツ、赤ジャージの方にそっくりだった。

本気でそっくりなのだ。

その顔でたっぷりのドヤ顔、そしてたっぷりのキザな挨拶。

「ワタルさ」

「ん?」

「リネでも思ってたんだけどさ」

「うん」

「リアルでも同じようにウザいな」

「何だよケーーーン、冷たいよケーーーン! そんな事言うなよケーーーン!www

「だあああ近寄るな! 暑いわ!www

彼との初めての出会いは、互いにスーツ、ネクタイ、革靴、革鞄という、不思議な初対面だった。

会社説明会

会社説明会は結局互いにバラバラで回ることになった。

色々と見て回ってみるか、というのが我々の出した答えだった。

正直、会社説明会は何一つ記憶にない。

何なら、どこでやった会社説明会だったのかも覚えていない。

なんせ二十年近く前の話だから仕方ない。

しかし、これだけは鮮明に覚えている。

その会社説明会はとても大きなホールに何個も会社が詰め込まれており、そのホールの隅っこにある休憩室に我はいた。

そこは自動販売機と、黒革の小さな背もたれのない椅子がずらりと並んだ場所。

そこでワタルと待ち合わせをし、二人でどこを回ったか、資料を交換しながらダベっていた。

ただ、企業の情報を交換しながらも、こんな会話だったのを覚えている。

「ケン、そんなことよりさ、昨日ムリアンからB-ZEL2枚出たんだよ」

「は?2M超えの儲けじゃん、最高だなおい」

「ワタル、そんなことより聞いてくれよ。先週のハイネの攻城戦、めちゃくちゃ熱かったんだよ。南に○○連合が来てさ、2ENDだぜ?」

「うわーー痛いな。けれどそういうのが楽しんよだな、本当に」

「今からネットカフェは、流石にスーツだと面倒だな」

「そうだな、マウスとかも使いづらいだろうし」

「んじゃ、またアデンで」

「おう、また」

企業のことなんかよりも、ただただリネージュの話をしていた。

それは本当に楽しい時間であった。

それ以来、ワタルとはオフ会で毎度のごとく顔を合わせたり、飯を食ったり。

何十回会ったかわからない。

本当の兄弟のような数年間を過ごしたのだが、互いに社会人になり、徐々に忙しくなっていったのに加え、いつの間にか連絡も取らない状態になってしまった。

リネージュMにて

最近は前述した通り、とにかく昔の知り合いと一緒にプレイする機会が多くなった。

その中でも、昔の仲間がLINEグループを作ってくれて、我もそこに参加することになっていた。

とはいえ、長い年月我は関わりを持っていたなかったので、基本は静観のような状況だったが。

そのLINEグループができてから1ヶ月くらいだろうか。

そのLINEグループに参加者が一人増えた。

「ワタル」のリアルネームだ。

二十年近く前だってのに、彼の名前を見てまず真っ先に脳裏に浮かんだのはあのテツandトモのテツの顔だ。

「ワタルか! 久しぶりだな!」

「いよっ」

こっちが久しぶりすぎてテンション高めに文字を打ったのに、その冷静な文字から容易に想像できる、あのキザな挨拶。

その時に会った彼は全くもって昔と変わらなかった。

普通二十年振りに会う友人と久々に会ったら「おおおお!」とか、そういうリアクションだと思ったのだが、さも昨日会っていたかのように「いよっ」という、慣れ親しんだ挨拶を返してくれたのだ。

約二十年経っているというのにも関わらず、彼との会話は弾んだ。

勿論、互いに大人になったので会話の内容こそ餓鬼の頃とは変わったところもあるが、基本的な流れやテンポ、そしてリネージュに対する話は全くもって変わっていない。

一番びっくりしたのは、住んでいる場所が我の家から自転車で5分ほど離れたところだという点。

こんなにも近いのに気付かないものかという思いと、これも何かしらの運命なのかという思い、二つの思いが交差していた。

オフ会では馬鹿話に華が咲いたが、お開きになった後、一度彼と二人で飯を食うことになった。

実は彼はまだリネージュ1をプレイしていて、今ではレベル85だったか、20年間同じゲームをプレイし続けていた。

昔はゲーミングパソコンなどのデバイス系に強い奴だったか、携帯にはとことん疎く、何年も前のAndroid携帯を使っていた。

当然、リネージュMはプレイできるような代物ではない。

「皆とまたやりたいな」

「携帯変えろよ」

「わからねーんだもん、むしろリネージュ1帰ってこいよ」

我としてはリネージュ1も非常に楽しいと思うのだが、如何せん昔のようにパソコンの前に座って腰を据えて手動狩りというのは無理があった。

だが、どうしても「彼と一緒にゲームがしたい」という思いが上回っていた。

「んじゃ、これ貸してやるよ」

と我はその場でサブ携帯として使っていたiPhone7を取り出した。

その場で初期化し、彼にやり方を教え、リネMのプレイが正常にできるところまでもっていった。

「サンクス、マジか、これでリネージュMできるじゃん」

「これ、あげたわけじゃないからな、引退するときには必ず返せよ。だから返されない方が俺としては嬉しいかな」

「オーライ」

こんな感じで今現在、彼とは同じサーバーでプレイしているというところまで来ている。

まとめ

何が言いたいかというとだ。

これはリネージュだけに留まらず、全てのオンラインゲームに言えることだが。

誰と一緒に遊ぶかで楽しさは変わる。

そういうシンプルなことなのだ。

いい仲間に巡り合ったら、それだけゲームも楽しくなる。

仕様に文句を言ったっていい、SNSでネガネガするのもいいだろう、だがもっと楽しむ方法は、一緒に楽しめる仲間を見つける、これに尽きる。

またワタルとも遊ぶ約束、というか、家が近過ぎるので否応無しに勝手にあがりこんでくるだろうが、またこうした関係を築けるということ、こうした物語が生まれるというのも、MMOの醍醐味なのだろうと感じる。

以上。

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